アルミの研磨はお任せを!加工の注意点と素材について解説
アルミの研磨加工を検討しているけど、アルミの研磨はどんなものなのだろう?非常に難易度が高いらしいけど、本当に出来るのかな?と、お考え中のあなたに、金属加工のプロである弊社、鬨一精機がアルミの研磨について詳しくお伝えします。是非参考にしてください。
アルミの研削、研磨加工とは?何故難しいのか
アルミの検索、研磨加工と、材質の特長、そして何故アルミの研磨加工は難しいと言われているのかについて、解説します。
アルミの特長
アルミの特長には以下のようなものがあります。
- 軽い
- 表面が薄い酸化被膜に覆われているため、内部まで参加せず美観性に優れ、腐食しにくくさびも発生せず、物理的な保護にもなる
- 強度は低い
- 融点は500度と低い
- 鋳造性が高い
アルミニウムは、非常に軽く、美しい金属であるため、様々な金属の代替材料として使われています。
また、金属表面に化学的に安定した酸化被膜を形成するため、腐食しにくくサビも発生しません。酸化被膜は物理的な保護にもなり金属表面を守ります。
そのためアルミは美観性が高く美しい金属です。
アルミは強度が低く柔らかい金属であるため、強度を上げるために様々な合金にして使用されています。
合金によって性質がかなり違うため、研磨する際は事前に、研磨するアルミ材が何の合金かを把握しておく必要があります。
アルミ研磨が必要な理由
アルミの加工において、高い平面度を出すためには精密な研磨が必要です。
研磨することにより、製品の高品質化、高精密化、耐摩耗性の向上による製品の長寿命化が狙えます。
また、研磨により表面の凸凹をなくし、光沢のある状態にできるため外観が美しくなり、さびや汚れの付着もしにくくなるため美観性を大幅に向上させることが出来ます。
アルミの研削、研磨とは?難しいと言われる理由
アルミの研削、および研磨は非常に難しいと言われており、検索・研磨ができる金属加工業者も希少です。
何故難しいかというと、以下の6つの原因があるためです。
- 融点が600度と低い
- 熱伝導性が高い
- 柔らかく伸びやすい
- 導電性が高い
- 非磁性である
- 湿式のためスラッジで傷つく
一つずつ説明します。
1.融点が600度と低い
アルミは融点が600度と低いため、研削や研磨をしているときに摩擦熱で溶けてしまうリスクがあります。熱を逃がしながら研削、研磨をする必要があります。
2.熱伝導性が高い
アルミは熱伝導性が高いため、研削、研磨の際に発生した熱により溶けやすくなります。ただでさえ、融点が600度と低い上に熱伝導性まで高いので、熱には特に注意しなければなりません。
3.柔らかく伸びやすい
アルミホイルを想像していただくと分りやすいと思いますが、アルミはよく伸びる、柔らかい金属です。そのため、研磨する際に砥石の砥粒にアルミが付着して食い込み、目詰まりを起こします。研磨には時間と労力がかかります。
4.導電性が高い
アルミの研削盤は湿式で行います。水を流し、水溶性の切削油を使用します。そのため不純物が溶けていると、イオン効果により電気が流れてサビが発生します。
これを防ぐためには水や切削油の入れ替え、機械の洗浄が必要となるため手間がかかります。
5.非磁性である
通常の研削の場合は、磁石で固定して加工することが多いのですが、アルミは非磁性のため磁石に引っ付きません。また、挟んで固定しようとすると、アルミは柔らかいので、たわんでしまい精度が落ちてしまいます。
6.湿式のためスラッジで傷つく
研磨は湿式で行うため、スラッジが研削油に流入し、加工時に表面を傷つけてしまいます。
これらの理由から、アルミの研磨は出来ないものとして最初から依頼を諦める会社が多く、実際アルミの研削や研磨を行っている金属加工業者自体も非常に少ないのです。
鬨一精機で行っているアルミ研削、研磨の工夫
弊社、鬨一精機は難しいと言われるアルミの研削、研磨に対応できる数少ない加工業者の一つです。
どうやってアルミの研削、研磨加工を実現させているかをご紹介します。
ペーパーフィルターを備えた先進の研削盤を使用
(ペーパーフィルターの写真)
(機械の写真)
弊社ではペーパーフィルターを備えた、研削盤を使用しています。これによって検索液の管理が容易になり、アルミの研磨品質を大幅に向上させることが出来ます。
ひずみが出ないように固定
アルミニウムは磁石にひっつかないので、固定するためのノウハウが必要です。
鬨一精機では長年の経験から、ひずみが生じないようにアルミニウムを上手く固定して研削、研磨を行うノウハウを持っています。
砥石の選択
アルミを効率的に研削、研磨できる砥石を選択しています。
そもそもアルミニウムとは?アルミニウム合金の種類と特徴は?
アルミニウムには様々な特徴があります。また、合金によって性質も大きく異なります。一つ一つ、特徴を解説していきます。
アルミニウムは合金が多い!
純粋なアルミニウムは非常に柔らかく強度が不十分です。その弱点を補うために、銅やマンガン、ケイ素、マグネシウムなど他の金属を入れて、強度を高めるのが一般的です。
アルミニウムには用途に応じて様々な合金があります。
アルミニウムの合金は、A○○○○というふうに、アルミニウムのAと4桁の数字で表されます。
以下は、アルミニウムの合金の種類、用途の表です。
名称 | 含有金属 | 長所 | 短所 | 用途 |
---|---|---|---|---|
A1000番台 | 純アルミ | 加工性、耐食性、熱伝導 | 強度 | 1円だま |
A2000番台 | 銅 | 強度、切削性 | 耐食性 | 航空機、ねじ、ギア |
A3000番台 | マンガン | 純アルミに強度をもたせた | なし | 一般機器、建築用材、屋根、アルミ缶 |
A4000番台 | ケイ素 | 耐摩耗、耐熱性、熱膨張しない | なし | ピストン、シリンダーヘッド |
A5000番台 | Mg | 最強の強度、加工性良好 | なし | 調理器具、燃料タンク、船舶、圧力容器 |
A6000 | Mg、Si | 中程度の強度、耐食性、押出加工 | なし | 建築サッシ、車、船、光学材料 |
A7000 | Zn、Mg | 超強度 | なし | ジュラルミン |
アルミニウムの特長と、使用用途
アルミニウムは、軽い、耐食性がある、導電性が高いなどの様々な特徴があるため、色々な分野で活用されています。
ここではどんなアルミニウムの利用シーンがあるのか、あるいはどんな特徴があるか詳しく見ていきましょう。
アルミニウムの特長と、使用用途
アルミニウムは、軽い、耐食性がある、導電性が高いなどの様々な特徴があるため、色々な分野で活用されています。ここではどんなアルミニウムの利用シーンがあるのか、あるいはどんな特徴があるか詳しく見ていきましょう。
耐食性
アルミニウム表面は酸化膜で追われるため、さびません。そのため建築や自動車、海洋開発、その他美観材料に使われます。
導電性
電気を良く通し、しかも軽いので電線や、配電線に適しています。
熱伝導性
ヒートシンク、冷暖房、エンジン
非磁性
食品の包装、缶、医療機器
反射性
光や熱や電磁波をよく反射する性質を持っているため、照明や暖房機の反射板、レーザープリンター、宇宙服
リサイクル性
アルミニウムは、簡単にリサイクルが出来、品質も落ちません。
耐低温性
液体窒素に入れても強度が下がらず、むしろ上がります。
低温プラント、宇宙開発、バイオテクノロジーなどに用いられます
安全性
アルミニウムは人体に無毒で非常に安全です。アルミホイルなど食品の包装や、アルミ缶、医療機器などにも使われます。
疲労限がない
通常、金属はある一定以上の力が加わると、金属疲労が発生します。疲労が蓄積すると、亀裂や破壊が発生します。
しかし、ある一定以下の力ならば、何度力が加えられても一切しません。この力のことを疲労限と言います。疲労限以下の力ならば、いくら力がかかっても金属は疲労しないとも言い換えられます。
しかしアルミには疲労限がありません。少しの力でも加わると、疲労は蓄積していきます。そのため、アルミを使用する際は使用年数と加えられる力を計算して、使用年数以内に破壊や亀裂が起こらないように計算する必要があります。
当社の加工
弊社では、全てのアルミ合金の加工が可能です。
1500mm×6000mm以下のサイズであれば、加工が可能です。
アルミ研磨加工事例
アルミ(A5052)大板の切削加工
加工名 | 切削加工 |
---|---|
材質 | A5052 |
サイズ | 10x400x800 |
アルミ(A5052) 大型切削加工
加工名 | 切削加工 |
---|---|
材質 | A5052 |
サイズ | 25X1500X1900 |
5面加工機にて切削加工を行っています。
A7075フライス仕上げ(平面平行0.05)
部品名 | プレート |
---|---|
加工名 | 切削加工 |
材質 | A7075 |
サイズ | 30x600x900 |
精度 | 平面平行0.05 |
A7075フライス仕上げにて平面平行0.05のプレートになります。
その他、アルミ合金の加工事例多数掲載しています
アルミ合金の加工事例一覧 >>
まとめ
アルミ研磨は難しく、対応できる会社は少数です。しかしそれを実現できるのが鬨一精機の設備と技術力です。アルミ研磨をご検討中の業者様は、是非当社にお声掛けください。
お気軽にお問い合わせください
Zoomなどオンラインでの打ち合わせにも対応いたします。
平日 8:30〜17:00